トラウマ =スリッパの選び方=
2007年 03月 14日
マミチャンとの定期便、夜の長電話で母ヒロ子の話になった。
母がいなくなった今でこそ「母はウチの太陽だった」と言えるが、
私達が子供だった頃は厳しい、、、と言うより口うるさい存在だった。
そして手も飛んでくる。
私の場合は、長女の性(さが)か、親を裏切るようなハッチャケた行動で
怒られる事はほとんどなかったように思う。
怒られる原因はテストの点数。
これがまたヒロ子的ハードルは高い。80点代前半ではお気に召さないのだ。
それでも点数に拘らず返ってきたテストは全部見せる。これも第一子の性か・・・
すると、「なんだね!この点数は!!(怒)」と手を振りかざす。
これを何回か経験した私はテストを渡すと、母の顔色が変わる直前に
トイレに逃げ込んだ。
唯一ウチの中で鍵が掛かる場所だったからだ。
思い返せば、振り上げた手と鬼のような形相の母の記憶はあるが、
実際毎回叩かれたか、というとそうでもなかったようにも思う。
さて、妹のマミチャンの場合。
小学生5年生までは「おすんばー」と呼ばれるおとなしい子だったのが、
素晴らしい担任と出会い、「おすんばー」の殻を脱ぎ捨て、弾けてからは
親に反抗はするは、ウソをついて遊び倒すは、プチ家出はするは・・・
私の数倍怒られて育ってきた。
母親も怒る機会が増え、マミチャンに舐められてはイカンとスーパーヒロ子に
バージョンアップし、この頃には武器を手にするようになっていた。
それがスリッパだった。
でもマミチャンも慣れたもの。
知らなかったが、今更ながらマミチャンの技を伝授してもらった。
母を怒らすためにワザと反抗した態度や口答えをしたと言うのだ。
そうすると母はどんどんヒートアップし、
履いていた片方のスリッパに手が行き・・・
「バシッ!」
そう 「スリッパに手が行く」=もうすぐこの説教の終焉 ということらしい。
確かに、トイレに閉じこもった私はその後出るタイミングが難しくて、反って気まずかった気がする。さすがマミチャン!怒られの達人だ。
ま、今伝授してもらっても、もう母いないけどね・・・
そんな話の終わりに、マミチャンがしみじみ言った。
「お姉ちゃん、ウチのスリッパわかる?
どれも、ふわふわしたスリッパじゃん。
私スリッパ選ぶ時、必ずよーく触って、
最後はちょっと頭を叩いてみて決めるだよ。
あれさぁ、ちゃんと裏側もチェックしてるだに。
結構裏がしっかりしてるのがあるだけど、それじゃあダメだよ。
今ばあば(母)の話してて気づいたやぁ。
きっと、子どもの頃のトラウマだっただね。この選び方って。。。」
《静岡弁口座》
おすんばー:恥ずかしがりやのこと。
使い方「あの子はおすんばーで人前に出たがらん。」
by sukikaru-cut
| 2007-03-14 23:27
| マミチャンとマミ島家